兀突骨 / 背水之陣

今回取り上げるのは、日本のテクニカル・デス/スラッシュ・メタル・バンド兀突骨(ごつとつこつ)の5thアルバム「背水之陣」。
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リーダーの高畑(ヴォーカル兼ベース)と円城寺(ギター)、そして秋田(ドラムス)のトリオになってからの3作目である本作は、これまで以上に楽曲が複雑化した作品となっています。

詩の世界観も戦国武将の武士道精神や血みどろの戦場を描いたお馴染みのもので、ラストを締め括る曲もお決まりの討ち死にソング。

死の美学……というか敗者にやたら感情移入するのは日本人の悪い癖と誰かが言っていたけれど、高畑の描くそれは何処か詩的であり潔さすら感じるブレのなさが特徴ですね。

高畑の咆哮は辛うじて時折単語が聴き取れるといった感じで、詩を伝える手段としてはほぼ完全に機能していない(そのうえ歌詞は全て漢字と片仮名)にもかかわらず、彼のヴォーカルは胸の奥にスッと入っていく。

デスメタルの最高峰と呼ばれるポーランドのヴェイダーだって、歌詞を読むとそれなりの哲学や文学的要素が感じられたりするのだけれど、それでも基本的には破壊的な演奏を楽しむ音楽にとどまっていると思う。

デス/スラッシュ系でこういう感覚……つまり、何言ってるか聴き取れないけれど、何か伝わるという感覚を感じたことは、兀突骨以外にはない。

ようやく安定したラインナップとなって以降、彼らの演奏技術及び素材(曲)は作を重ねるごとに良くなっている。

常にバキバキと鳴らしながらも随所で耳を引くソロを弾く高畑のベースに、温厚そうな顔立ちと相反する凶暴な演奏を披露しながらも、ガラス細工のような繊細さを伴ったソロを弾く円城寺。

そしてドラマーとしてはさほど体格が良さそうには見えないが、あらゆる面で非の打ち所がない秋田の叩き出すリズム。

楽曲の複雑化が顕著になったことで、三人の演奏技術の高さがさらに際立って聴こえるようになりましたね。

日本よりも海外の方が人気度/知名度が高く、国際的に活動しているという兀突骨。

殆ど逆輸入的な流れで全盛期を迎えた人間椅子共々、「本当に凄い日本人バンドは国内で評価されないのかな?」と思ったりもする。

両者共に安定した創作活動をして欲しいものですね。



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この記事へのコメント

2020年01月09日 13:39
こんにちは

兀突骨ですか。。。
知らないです。
舌を噛みそうな名前ですね。
世名 和正
2020年01月09日 17:27

>トトパパさん

兀突骨は『三国志演義』に出て来る武将で、本当は日本の武将の名前が良かったらしいのですが、「織田とか武田とかだったら笑われるかも」という理由で兀突骨にしたそうです。
結成は2000年と言っていましたから、今年で結成20周年を迎えるもののアルバムはたったの5枚と極端に少ないですね。
多分、国内外でのライヴが主な活動みたいです。
販売に携わっているディスクユニオンに行っていなかったら、多分私も一生彼らのことを知らなかったでしょう。